1945年以降の日本経済をざっとふりかえります。ざっと振り返るので「序説」です。おそらく本論は書けないでしょう。
高度成長期
朝鮮戦争による特需で戦後不景気をのりきった日本はその後世界がおどろく急成長を成し遂げます。戦後で何もかも失ったのですからないものだらけ、衣食住関連・インフラ、とにかく作れば何でも売れたのですから当然といえば当然ですが、高度成長(急成長)を可能にした要因には次のようなものがあります。
・ベビーブーム
戦後直後の第一次ベビーブームは1947年~1949年といわれていますが、これらの世代が1970年以降は生産人口に加わっていきました。
・高貯蓄率
戦争で生産設備が失われ、圧倒的に需要>供給の時代が続いていましたが、倹約・貯蓄を美徳とする国民性が経済成長を加速させました。生産力を消費で使い果たしてしまうことなく、貯蓄が投資に回ることで生産力を飛躍的に増加させることができました。
余談ですがこの倹約・貯蓄は現在では美徳というより「けちんぼ」として揶揄され批判されるべきものとなってきています。需要<供給の時代となった今、足りないのは消費であり、貯蓄は有り余っていて、貯蓄の価格ともいうべき利子率も何年もゼロ状態が続いているのに国民はなかなか財布の紐を緩めようとはしません。政府は積極財政をとろうとしているようにもみえますが、財務省は財政規律などとうそぶき、経済成長を抑えようとしているようにしか見えません。
・高い教育水準
トップレベルがすごいんじゃなくて、中間層の教育水準が高かったんです。識字率は世界一でした。研究者等トップレベルの水準というのも確かに大事なのですが、一般人の教育水準の高さというものも高度成長に大きく寄与しました。
1970年代前半にはオイルショックとニクソンショックという二つの
オイルショック
ニクソンショック
戦後はブレトンウッズ体制のもと、1ドル360円という今では信じられないような超ドル高固定相場制の時代がありました。第二次世界大戦直後の状況は戦場にならなかったアメリカの一人勝ちで、戦場となった日本も欧州は戦勝国も含めてボロボロでした。その頃を基準として決めた為替レートですから、その後日本・欧州が復興を遂げるにつれ米国との経済力格差が縮まっていくにつれ実情にあわなくなったのは当然の話でした。いったん1ドル306円というなんだか中途半端なドル切り下げを行った後、変動相場制に移行しました。